日本・バーレーン関係

1 総括

(1) 当国人の対日観は極めて良好であるものの,一般的には工業製品,経済的成功に偏った,技術立国・経済大国といったイメージが強かった。2012年4月にハマド国王が初訪日して以来,ハリーファ王家をはじめとするバーレーン指導部は日本を含むアジアに目を向け始め,その後サルマン皇太子の訪日,安倍総理のバーレーン訪問が続き,日・バーレーン関係は友好関係から新たなパートナーの関係を迎えている。

(2) この背景には,2011年2月に発生した国内騒擾事件において,欧米諸国の多くがバーレーン政府に対する人権に関する批判を行ったのに対し,日本が人権の重要性を踏まえつつも,バーレーン政府に対する改革努力を支援するとの一貫した政策をとったことがある。

2 外交関係

1971年8月24日
バーレーン国承認
1972年5月2日
外交関係樹立
1983年10月1日
在バーレーン駐在官事務所開設
1988年1月27日
在バーレーン大使館開設
1988年3月7日
初代本任大使信任状捧呈
2005年9月6日
在京バーレーン大使館開設
2005年11月14日
初代駐日バーレーン大使信任状捧呈

3 要人往来

(1) 日本からのバーレーン訪問

1991年7月 鈴木外務政務次官, 自民党国防三部会議員団(団長:山崎拓衆議院議員),
佐久間防衛庁統合幕僚会議長
1994年11月 皇太子同妃両殿下
1997年11月 佐藤信二政府代表(前通産大臣)
1999年3月 町村外務政務次官(イーサ首長の逝去に際しての政府特派大使)
2001年3月 衛藤外務副大臣
2001年8月 丸谷外務大臣政務官
2002年9月 松浪外務大臣政務官
2005年6月 河井外務大臣政務次官
2005年11月 金田外務副大臣(「未来のためのフォーラム」出席)
2006年1月 久間自民党総務会長
2006年7月 木村防衛庁副長官
2006年10月 岩屋外務副大臣
2006年12月 小池総理補佐官(IISSマナーマ対話)
2007年7月 田中財務副大臣
2007年9月 小野寺外務副大臣
2007年10月 寺田防衛大臣政務官
2007年12月 小池元防衛大臣(IISSマナーマ対話)
2008年4月 武部 日本・バーレーン友好議員連盟会長
2008年7月 奥田総理特使
2008年7月 衆議院中東各国政治経済事情当調査議員団(バーレーン訪問団長:田野瀬衆議院議員)
2008年12月 武田防衛大臣政務官
2008年12月 林元防衛大臣(IISSマナーマ対話)
2009年2月 与党海賊対策等に関するPT一行(中谷衆議院議員,佐藤衆議院議員,浅野参議院議員)
2009年3月 西村外務大臣政務官
2009年5月 福田総理特使(元首相)
2009年12月 榛葉防衛副大臣(IISSマナーマ対話)
2010年12月 広田防衛大臣政務官(IISSマナーマ対話)
2011年10月
海上自衛隊の第51掃海隊(「うらが」及び「つしま」)が日米英合同掃海訓練で来訪
2012年5月
下条防衛大臣政務官
2012年6月
河野自衛艦隊司令官
2012年9月 海上自衛隊の第51掃海隊(「うらが」及び「はちじょう」)が国際掃海訓練で来訪
2013年5月 福田元内閣総理大臣(インターアクション・カウンシル第31回年次総会出席)
2013年5月 日本・バーレーン経済交流協会代表団
2013年8月 安倍内閣総理大臣(現役総理として初の訪問)
2013年12月 松村統合幕僚副長(IISSマナーマ対話)
2014年1月 土井国道交通政務官(「水環境と下水道に関する日本の技術」ワークショップ)

(2) バーレーンからの訪日

1989年1月 シラーウイ開発・工業相(外務省賓客)
1989年3月 アリ殿下(内務次官補,現副首相)(昭和天皇「大喪の礼」参列)
1990年6月 ハッサ妃殿下(イ-サ首長夫人)(私的訪問)
1990年11月 アリ殿下(平成天皇「即位の礼」参列)
1991年10月 イ-サ首長(非公式訪問)
1992年2月 モアイヤド情報相(非公式訪問)
1993年5月 ハーラ・ウムラン情報省次官補(非公式訪問)
1993年11月 アラウィ公共事業・電力・水省次官(非公式訪問)
1994年9月 アリ運輸相(ITU京都会議)
1994年10月 イーサ青年スポーツ評議会議長(広島アジア大会)
1994年10月 メヘリ教育省次官補(文化人短期招聘プログラム)
1994年11月 シラーウイ開発・工業相(日・GCCビジネスマン会議)
1995年8月 サルマン・バーレーン研究センター所長(現皇太子,非公式訪問)
1995年8月 アブドゥル・アジズ首相府副局長(非公式訪問)
1996年4月 イーサ石油・工業相(非公式訪問)
1996年6月 ハーリド住宅・自治体・環境相(非公式訪問)
2001年2月 ムハンマド外務相公式訪問
2001年4月 アル・ガタム・バーレーン大学学長(オピニオンリーダー招聘)
2001年5月 シェイク・ダイジ商業省次官補(中堅指導者招聘)
2001年12月 シェイハ・ヒンド労働社会省次官補(中堅指導者招聘)
2002年1月 バヒヤ・ジシ諮問評議会メンバー及び女性高等委員会メンバーの訪日(オピニオンリーダー招聘)
2002年9月 シェイク・サルマン・バーレーン国営石油精製会社副会長(第8回国際エネルギーフォーラム出席)
2004年6月 バッサム通貨庁副総裁(非公式)
2004年10月 アブドルアジーズ外務次官補(高級実務者招聘)
2005年3月 ファワーズ青年スポーツ庁長官(非公式)
2005年11月 マアラージ通貨庁総裁(TOCOMとの協定調印式出席)
2006年6月 マアラージ通貨庁総裁(イスラム金融セミナーの開催)
2006年6月 タイ国王即位60年祝賀式典に出席したハリーファ首相が,現地にて,天皇皇后両陛下と交流。
2007年3月 シェイハ・マイ情報省次官補(文化人招聘)
2007年7月 ファワーズ青年スポーツ庁長官(「アジア地域スポーツ担当大臣級会合」出席)
2007年11月 アル・ザヤニ警察本部長
2008年2月 ハーリド外務相(外務省賓客)
2008年3月 ジャーシム・フセイン下院議員(高級実務者招へい)
2008年6月 アル=ザハラーニ下院議長
2008年10月 サルマン皇太子兼経済開発委員会議長
2008年10月 ホサーム首相府顧問(バーレーン紹介イベント)
2009年11月 アマラージ中央銀行総裁(日経新聞シンポジウム出席)
2009年11月 バーレーン・日本友好協会代表団(団長:アライエド副会長)
2010年2月 ダイジ財務省次官兼港湾局議長(21世紀パートナーシップ招へい)
2011年2月 ラーシド内務相(オピニオンリーダー招へい)
2012年4月 ハマド国王(公式実務訪問:アブドゥラー殿下(ハマド国王子息(次男)),ハーリド殿下(ハマド国王子息(五男)),ムハンマド副首相,ハーリド王宮府長官,アティヤタッラー王宮府フォローアップ担当相,ハーリド外務相, ファハロ商工相,ミルザ・エネルギー相,ヌアイミ教育相 他同行)
2012年10月 アハマド財務相,マアラージ中銀総裁(IMF・世銀総会出席)
2013年3月 サルマン皇太子(実務訪問:ハーリド外相,カマール運輸相 他同行)
2013年9月 ナーセル殿下(ハマド国王子息(四男))(国体開会式出席)
2014年2月 サラーハ・アリ人権担当国務大臣

(3) 2012年は,日本・バーレーン外交関係樹立40周年であり,ハマド国王の訪日(上記)を始め,様々な行事が行われた。

4 経済関係の現状

当国の整った情報・通信システム,湾岸地域の金融都市としての政策,オフショア免税など良好な環境に加え,宗教的寛容度が高いことから地域展開の拠点として,金融・商社・メーカー系を中心に日系企業が進出している。2014年12月末時点の日系企業数は22社である。

当国の貿易相手国として日本の地位は高い。日本への輸出は石油製品,アルミが中心であり,日本よりの輸入は自動車,家電を中心とした工業製品が主体となっている。

昨今の経済危機の影響はあるが他の湾岸諸国程ではなく,多くのプロジェクトが進められている。

(1) 貿易 (日本財務省貿易統計、単位:百万米ドル)

 
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
対日輸入
430
540
676
932
436
587
470
811
764
対日輸出
317
538
430
415
524
659
723
477
396
貿易額
747
1,078
1,106
1,347
960
1,246
1,193
1,288
1,160

(2) 政府ベースの経済技術協力

1人当り購買力平価GDPが47,361ドル(2012年IMF)となっており,政府開発援助の受け手としては卒業しているが,JCCME,JCCP等が専門家派遣及び研修員の受け入れを行っている。

(3) 本邦企業関係主要プロジェクト

1979年 LPGガス生産工場建設(日揮)
1979年 66kV送電線敷設(大日日本電線)
1981年 鉄ペレット生産工場建設(神戸製鋼)
1983年 アブ・ジャジュール淡水化工場建設(笹倉機械)
1983年 アルミニウム圧延工場建設(神戸製鋼)
1984年 アラビアン・ガルフ大学設計(丹下健三事務所) <※現在はバーレーン大学の建物>
1984年 66kV変電所建設(日新電機)
1984年 66kV地下送電線敷設(古河電工)
1987年 66kV変電所建設(富士電機)
1988年 LPGガス生産工場拡張(日揮)
1990年 自動車電話用中継局増設(日本電気)
1991年 トヨタ自動車トレーニンングセンター開設(トヨタ自動車)
1992年 海上交通無線地上局更新(丸紅,日本無線)
1992年 国際電話交換機据付(日本電気)
1992年 移動式電話システム増設(住友商事)
1996年 尿素プラント建設(三菱重工)
1996年 トヨタ自動車トレーニング・センター拡張(トヨタ自動車)
1997年 66kV海底送電線施設(三菱ケーブル)
1998年 アドゥール淡水化工場改修工事受注(笹倉機械・川崎重工・住友商事)
2001年 Bapcoケロシンメロックス・プロジェクト(日揮)
2002年 電力・水省150MVA変圧器,220KV遮断機(住友商事)
2003年 Bapco低硫黄軽油プロジェクト(日揮)
2003年 ALBAアルミ精錬設備増設に伴う送変電設備増設工事
2004年 ラス・アブ・ジャジュール淡水化工場増設工事受注(ササクラ)
2004年 電気・水省変電設備増設工事(住友商事)
2005年 国内4カ所の66kV変電所工事(住友商事)
2006年 ヒッド発電造水工場買収ならびに造水プラントの増設(住友商事)
2007年 ヒッド ペレットプラント工場建設(神戸製鋼)
2010年 ヒッド 鉄鋼プラント工場建設着工(大和工業)

(4) わが国の進出企業

進出企業数 22社(2014年12月末時点)

(金融5社,商社2社,メーカー系12社,その他3社)

(5) 在留邦人

当国における在留邦人数は約250人(2012年現在)であり,「バハレーン日本人会」が組織されている。全日制の「バハレーン日本人学校」が1984年より開校しており,2014年3月現在での生徒数は17名となっている。

(6) 2008年8月,当国ビジネスマン及び日系企業を中心に「バーレーン・日本ビジネス友好協会」が設立された。両国の友好関係強化のため,経済・文化交流活動を行っている。

(7) 2012年4月,ハマド国王の訪日に際し,「日本バーレーン経済交流協会」が新設(日揮グループ会長・重久氏が会長)。また,バーレーン王国ビジネス・フォーラム及び「バーレーン・ナウ(レセプション)」も開催された。

5 教育・文化活動

(1) 文部科学省の国費留学生として,1994年より計30名のバーレーン人が日本に留学しており,このうち6名(2014年4月現在)が留学中である。

(2) 1998年から我が国政府が主催する「グローバルユースリーダー育成」事業(旧「世界青年の船」事業)に,当国より11回に亘り計のべ116名の青年が参加し,青年グループ間での交流が積極的に行われている。2000年には当該事業への既参加青年による「世界青年の船バーレーン同窓会」も設立され,下船後の人的・文化的交流も積極的に行われている。

(3) 1996年より17名の教育関係者を日本に招へいし,関係施設の視察やレクチャー等実施している(2014年4月現在)。

(4) 2002年12月,「日本・バーレーン外交関係樹立30周年」を祝し,バーレーン王国となって初の当国のナショナルデーにあわせ,サビーカ王妃及びアブドゥラー殿下(ハマド国王子息(次男))他王族,各界要人,外交団等計400名を招待して流鏑馬公演が実施された。

(5) 2012年には,「日本・バーレーン外交関係樹立40周年」を迎え,ハマド国王の訪日を始め,世界的著名な和太鼓奏者・林英哲氏による和太鼓公演の実施等様々なイベントを実施している。

(6) 主要文化事業

2003年10月 沖縄文化民間交流協会 琉球舞踊公演
2003年12月 ル・クラブ・バシュラフ アラブ音楽公演
2004年3月 一葉式 生け花デモンストレーション
2004年11月 レオナルド衛藤&レオプロジェクト和太鼓公演
2006年2月 空手デモンストレーション
2006年4月 俳人・黛まどか氏による俳句朗読会
2007年1月 邦楽(津軽三味線,和太鼓,琴)公演
2008年3月 碓井俊樹氏 ピアノコンサート
2008年5月 堀江恭子氏 書道・茶道等展覧会
2009年2月 千葉商科大学学長・島田晴雄氏 講演
2009年12月 新エネルギー導入促進協議会代表理事・石谷久氏 講演
2010年2月 生け花デモンストレーション(バーレーン国際ガーデンショー2010)
2010年3月 香道デモンストレーション
2010年5月 日本映画祭2010
2010年7月 「バーレーン・サマー」における折り紙等ワークショップ
2011年1月 日本映画祭2011
2011年2月 サッカーU-22日本代表選手と在留邦人との交流イベント
2011年2月 居合術等デモンストレーション
2012年1月 生け花デモンストレーション(バーレーン国際ガーデンショー2012)
2012年2月 国際交流基金巡回展「パラレル・ニッポン 現代日本建築 1996-2006」
2012年3月 国際交流基金海外公演主催事業「林英哲中東公演(和太鼓)」
2012年11月 日本映画祭2012
2013年2月 国際交流基金巡回展「日本人形」
2013年11月 日本映画祭2013
2013年11月 千万紀子氏・伊住公一朗(裏千家) 茶道行事
2014年3月 蒔絵展
2014年11月 日本ポップカルチャー・フェスティバル2014