10月9日に角前大使の後任として着任致しました、浅子清と申します。前任地はインドにあるムンバイの日本総領事館です。
バーレーンには2003年から2005年まで約2年間、大使館の次席として在勤したので今回は二回目の在勤です。10年前に比べマナーマの町は、ビルや道路などのインフラが素晴らしく発展しており、道路を走る車の数がかなり増えているのに驚いています。人々が穏やかで、湾岸諸国では自由度が最も高い、湾岸の真珠のような国バーレーンに帰ることができ光栄です。中東ではバーレーンの他に、エジプト、クウェート、サウジアラビア、ヨルダンに在勤しました。
皆様ご存知のように、日本とバーレーンの関係は、ハマド国王陛下の訪日(2012年4月)、サルマン皇太子殿下の訪日(2013年3月)、安倍総理の当国訪問(2013年8月)といった、首脳の相互訪問を通じて近年大きく前進しました。その結果、政治、安全保障、経済、教育・文化などの分野で協力の方向性が示されました。今後はこれら成果を踏まえ具体的な協力案件を成立・進展させサクセス・モデルを作っていくことが極めて重要になります。私としては、首脳間で交わされた合意の枠組みの進展をバーレーン側と協力しながらフォローアップし、具体的なプロジェクトに結びつくよう全力で取り組んで参りたいと思います。
現在中東地域では、中東和平問題に加えて、所謂イスラム国(IS)の拡大によるシリア・イラクの不安定化、リビア及びイエメンにおける内政の乱れなど地域を大きく揺るがす問題を抱えています。比較的に安定したバーレーン等湾岸諸国も少なからずこれら情勢の影響を受けざるを得ません。我が国も中東各国政府や国際社会と協力しながらこれらの諸問題解決のために今後も貢献していく予定です。その観点からバーレーンでは、中東地域全体を広くカバーする米国海軍第五艦隊司令部が基地を置いており、ペルシア湾や近海の安全と安定を実現するために各国と協力しています。我が国も、海上自衛隊による海賊対策や国際掃海訓練への参加を通じて地域の安全航行実現に貢献しています。
更に当館としては、日本映画の上映会やその他の文化行事開催を通じ、バーレーン国民等に我が国文化の紹介活動を展開しており、その内容は大使館HPや現地新聞等を通じご案内しておりますので、是非ご友人などもお誘いの上ご来場頂ければ光栄に存じます。
最後に、バーレーンは比較的安全で安定した国ですが、現在の中東情勢を背景に、テロを始めとする治安事案の発生が全くないとは言い切れません。大使館としても可能な限り在留邦人の皆様に対し安全に関する情報提供に努めたいと考えておりますので、今後ともご協力をどうか宜しくお願い致します。