1.基本情報
国名:バーレーン王国(Kingdom of Bahrain)
首都:マナーマ(Manama)
日本との時差:マイナス6時間
通貨:バーレーン・ディナール(Bahraini Dinar) 1BD =1,000フィルス(Fils)
1米ドル=0.375BD
紙幣:20、10、5、1、1/2 BD
硬貨:100、50、25、10、5 Fils
言語:アラビア語(公用語)及び英語
国際電話国番号:+973
電圧:220〜240ボルト(50Hz)
気候:6〜9月/高温多湿な夏季(36〜45℃)、10〜4月/比較的温暖な冬季(10〜25℃)
週休:金曜日及び土曜日
2. 渡航情報
(1) 定期路線
日本からバーレーンへの直行便はありません。主として以下の航空会社が乗り継ぎ便を運行しています。
・キャセイパシフィック航空(成田、関空、名古屋及び福岡発、香港経由)
・エミレーツ航空(成田、羽田及び関空発、ドバイ経由)
・カタール航空(成田及び関空発、ドーハ経由)
・エティハド航空(成田及び名古屋発、アブダビ経由)
(2) 査証、出入国審査等
バーレーンへの入国には査証が必要です。観光又は商用目的の査証は、空港到着時に入国管理局のカウンターで25バーレーン・ディナール(1バーレーン・ディナールは約 2.7米ドル)又は米貨70ドルを支払えば、2週間の数次査証(3ヶ月間有効)が取得できる(ユーロでの支払いも可能)ほか、バーレーン内務省関連ホームページ(http://www.evisa.gov.bh/ )から事前に査証を取得することもできます。
入国後に滞在期間を延長する場合には、バーレーン内務省国籍・旅券・滞在局に申請が必要です。
(3) 通関
出入国時の外貨の申告や、持ち込み・持ち出し額の制限はありません。米ドル等の主要外貨から現地通貨(バーレーン・ディナール)及びその逆の換金は、空港、市内の銀行、両替所、ホテル等で行えます(日本円については、取り扱う場所が限られています)。
持ち込みが禁止されているものとして、麻薬はもちろんですが、ポルノ、裸体画、それらを記録したビデオテープや DVD 、その他いかがわしいとみなされる写真等を掲載した雑誌類及び銃刀類などで、入国時に厳しく検査され、これらを所持している場合は没収されます。また、通信機器、コンピュータ等の電子機器は、厳しく検査される場合があります。
なお、査証・出入国審査、外貨申告、禁制品等の制度は、事前の通報なしに変更されることもあり得ますので、最新情報を駐日バーレーン大使館等にご確認ください。
(4) 旅行制限
旅行制限は特にありませんが、南部には立ち入り禁止の地域があり、注意が必要です。
(5) 写真撮影の制限
写真撮影については、空港、港湾施設、軍事及び王族・政府関係施設は、原則禁止になっています。また、女性に対してカメラを向けることはトラブルの原因になりますので注意してください。
(6) 公共交通機関
市内の主な交通手段としては、タクシーとバスがあります。タクシーの中には、料金メーターを使用せず、高額な運賃を請求する運転手もいますので、乗車時には、料金メーターの使用の有無、料金等の確認が必要です。バスの利用者はほとんどがアジア系の労働者で、運行路線が限定され本数も少ないうえ、運行時間も不規則です。
(7) 風俗、習慣、健康等
バーレーンはイスラム教国ですが、戒律は他の湾岸諸国と比較すると穏やかなこともあり、アルコール類の購入や、レストラン及びホテルにおける飲酒、また、一部のスーパーでは豚肉の購入も可能です。
バーレーン人は、外国人に対して寛容ですが、女性が肌を過度に露出する服装は避けることが無難です。また、特にラマダン(断食月)期間中は現地の習慣を尊重してください。このラマダン(断食月)期間中(特に日中)は、公共の場における飲食や喫煙は禁止されています。
風土病等はありませんが、夏季(6〜9月)には日中の最高気温が約50度まで上がり、湿度も 80%以上になることもあるため、熱射病や脱水症の予防に気を付け、健康管理に十分留意することが大切です。また、水道水は飲用に適さないので、レストラン、ホテル等でもミネラル・ウォーターを利用する方が無難です。
3.バーレーン紹介
バーレーンは、アラビア語で「2つの海」という意味で、かつては島の至る所で真水が出ることから、周りの海水の海と合わせ、そのように呼んだと言われています。
バーレーン王国は奄美大島や佐渡島とほぼ同じ面積の国土を持ち、気候は高温多湿な夏季と比較的温暖な冬季に分けられ、夏季である6月から9月までは、日中の気温は平均40 ℃ 前後で、50 ℃ を超えることは希ですが、厳しい暑さと高い湿気が続きます。また、冬季は12月から2月にかけては、平均10 ℃ から20 ℃ 程度で降雨もあり、3月から5月、10月、11月は温暖で快適です。
バーレーンはイスラム諸国の中でも、ユニークな国の一つです。イスラム教の戒律は比較的ゆるやかで一部のレストランでは飲酒も可能です。ただし、ラマダン月(断食月)の一ヶ月間はイスラム教徒にとって神聖な月ですので、レストランやホテル内でもアルコールの提供は禁止されます。
戒律が厳しいイスラム国では通常女性はアバヤと呼ばれる(国によって呼び方は違いますが、当地ではこう呼びます)頭から足先まで体を隠す衣装を着ることが義務づけられますが、当地はこういったことにも寛容で、多くの女性が普通にファッションを楽しんでいます。こうした背景には古くから中継貿易地として栄え、伝統的に外国文化に開放的で寛容だったこともあるようです。
隣国サウジアラビアでは、イスラムの戒律が厳しく、娯楽が限られているため、週末をバーレーンで過ごそうとするサウジアラビアからの観光客を始め、遠くはクウェート、アラブ首長国連邦等からサウジアラビアとバーレーンを結ぶ 海上架橋(キング・ファハド・コーズウェイ:1986年にサウジアラビアの全額出資により建設された全長25キロの橋)を通って入国するため、 国内のいたるところで渋滞が発生します。しかしこのことは、それだけ近隣の湾岸諸国よりもバーレーンには魅力が多いという証とも言えます。 日本人を含めた外国人にとってバーレーンは、比較的治安も良く、近代化も進み、イスラムの戒律が比較的ゆるやかということもあって、他の近隣諸国と比べ生活しやすい国の一つと言えます。
アラビア湾沿岸では、石油が発見されるまでの何百年もの間、主な産業は真珠でした。アラビア湾で採れる真珠はとても美しく世界中から賞賛を集めていました。しかし、1920年代以降、世界恐慌や日本の御木本幸吉によって真珠の養殖法が発見されたこと等を受け、アラビア湾の真珠産業は急速に衰えていきました。
これと入れ替わるようにバーレーンでは1932年に湾岸諸国で初めてとなる石油が発見され、1934年にその最初の輸出先となったのが日本の横浜でした。しかし、その後、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート等、近隣諸国で石油や天然ガス等の大規模田が発見され、オイルマネーを背景とした経済開発が進められていく一方で、原油埋蔵量・産油量共に他の産油国に比較して極めて小さかったバーレーンでは、政府が早くから石油精製への進出を図るとともに、早くから石油に依存しない経済発展を目指し、国際金融、交易、観光等に力点を置く他、アルミニウムの精錬・加工業や石油化学、造船といった基幹産業がこれまで成長を遂げてきました。
2004年からは、 F1レースが開催されており、金融の他ショッピングやホテル等の機能を有するバーレーンフィナンシャルハーバーの建設や大規模なリゾート開発等、様々な開発プロジェクトが進行中です。
|
 |
|
4.主な観光名所
(1) バーレーン要塞(Bahrain Fort)
14世紀にアラブ人統治者が造った要塞の跡に、この島を占領したポルトガル人が1522年に建設した要塞跡です。更に調査が進められた結果、この場所の歴史は更に古く、古代文明ディルムンの都市であることが判明しました。多彩な様式の建造物群が一箇所の遺跡に蓄積していることが評価され、2005年にUNESCO世界遺産に登録されました。この要塞の南側城壁下には発掘中のディルムン文明時代の住居跡群を見ることができます。
(2) 生命の樹(Tree of Life)
ドッハーン山(標高137mの頂上はバーレーン最高地点)から12km南にある、砂漠の真ん中にぽつんと一本だけ立つマメ科のアカシア巨木です。水源をどこから得ているか不明であるのにも関わらず力強く生い茂る姿から「生命の樹」と呼ばれています。普通自動車でも訪れることができます。
(3) 石油博物館/第1号油井(Oil Museum / No.1 Oil Well)
アラビア半島の石油時代の幕開けを告げたのは、1932年のバーレーンのこの場所における油田の発見でした。現存する第1号油井に隣接する石油博物館には油田発見当時の写真や掘削道具などが展示されています。なお、1934年に初出荷された原油は日本向けでした。
(4) マナーマ・スーク(Manama Souq)
スーク(Souq)とは、アラビア語で「市場」を意味し、古い商店が立ち並ぶ通りです。マナーマ・スークでは、貴金属・布地・香辛料等同業の商店が固まっているエリアがあるほか、家電用品・生活雑貨店もあり、バーレーンのロゴ入りTシャツやスカーフ、インド・パキスタン製の手工芸品などを買うことができます。土曜日〜水曜日に営業しており、多くの店では12時頃に一旦昼休みとなり、16時頃に再度開店します。
(5) 競馬場(Rashid Equestrian and Horseracing Club)
全長2,400mの芝トラック2つと3,000席の観客席を擁する中東屈指の競馬場です。イスラム教国ゆえに、馬券の販売はしておりませんが、毎年10月〜4月の毎週金曜日に6レースが実施されております。王室自ら地元サラブレッドの養成に力を入れております。
(6) バーレーン国立博物館(Bahrain National Museum)
中東地域では最大の規模を誇り、4,000年前の旧石器時代に始まるバーレーンの歴史の長さを示す貴重な出土品のほか、バーレーンの文化、産業発展前の生活様式や島に生息する動植物についての資料が数多く展示されています。
(7) グランドモスク(Grand Mosque(Ahmed Al Fateh Mosque))
バーレーンで一番大きなモスクで、一度に7,000人を収容することができます。外国人観光客もモスク内を自由に見学することができますが、女性はアバヤの着用が義務付けられます(モスク内でアバヤを借りられます。)。写真撮影も可能です。

(8) キング・ファハド・コーズウェイ(King Fahad Causeway)
全長25km、片側2車線の有料道路で、バーレーンとサウジアラビア東部州のダーランを結んでいます。1986年に総工費10億ドル、5年余りの年月をかけて建設されました。中間時点にバーレーンとサウジアラビアそれぞれの出入国管理事務所がありますが、この事務所手前にある展望タワーまでは自動車で行くことができます。タワー2階にあるレストランでは入場券を提示すればコーヒー、紅茶又はソフトドリンク1杯が無料になります。
(9) バーレーン・インターナショナル・サーキット(Bahrain International Circuit)
サルマン皇太子主導でF1グランプリ招致が決まり、それに伴い建設された最新鋭サーキット場で、2004年に中東初となるF1レースが開催されました。F1以外にも様々なイベントが企画されています。
(10) バーレーン国立劇場(National Theatre of Bahrain)
「千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)」をテーマにした、中東では最大規模(11,669?u)の劇場です。内部はバーレーンのダウ船(dhow)の製造技術を応用した木張りになっており、音響効果が大変優れています。750席の観客席を有する大劇場と150の可動式席を配す小規模のコンサートホールを備えており、オペラ、クラシック・バレエ、演劇、オーケストラ、ジャズ等、様々なイベントに利用されております。
(11) バーレーン真珠採取の道(Bahrain pearling trail)
真珠採取業はバーレーン古来の基幹的地場産業でした。「バーレーン真珠採取の道」は、ムハラク島に残る、真珠採取に従事した潜水夫達が使ってきた約3.5kmの道であり、この道と周辺に残る真珠の採取・取引に関わった建造物群や近海の真珠床などが2012年にUNESCO世界遺産に登録されました。
(12) ショッピング・モール(Shopping Mall)
バーレーン国内には、アル・アーリ・モール(Al A’Ali Shopping Complex)、シーフ・モール(Seef Mall)、シティ・センター(City Centre)、バーレーン・モール(Bahrain Mall)等のショッピング・モールが各地にあり、各ブランド・ショップにおいては無税で商品が購入できるほか、家電製品、家具類、衣類、各種雑貨、食料品、書籍等も売られており、大抵の生活用品が入手可能です。また、フードコート、映画館等もあり、週末は多くの家族連れや若者で賑わいます。
|